Copyright © 2017 Konno Umi

Present by Konno Umi

  • ホーム

  • 自己人格分析とは

  • 紺野の場合

  • お問い合わせ

  • ブログ

  • もっと見る

    ​人生を変える

    不思議な自己分析

    心理学
    連載『分析のあゆみ』

    【12】6つの扉

    December 31, 2017

     

     

    《自己人格分析》連載すごろくシリーズ【12】

     

     紺野うみの「分析のあゆみ」

     

    こんばんは、紺野うみです!

     

     

    2017年、たくさんの方に支えられながら走り切りました!

     

    感謝の言葉しかありません。

     

     

    来年も私らしく、明るく、楽しく、真っ直ぐに進んでいけたらと思ってます。

     

    目指せ、住人全員がますます力を発揮できる自分!

     

     

    これから先、どんな形であれ、書き続けていくと思います。

     

    どうぞ末永く、見守っていただけますと嬉しいです!

     

     

    それでは今年最後の記事、張り切っていきましょう☆笑

     

     

    ※このシリーズをまとめて読みたい方は、カテゴリー検索で連載『分析のあゆみ』で記事を絞り込んでいただくと分かりやすいと思います。

     

     

    【12】6つの扉

     

     

    アニキの存在を知った紺野でしたが、しかし彼は表には出られない状況です……。

     

     

    しかし、自信を失った委員長には、毎日の仕事や生活が本当に辛く苦しいものでした。

     

    でも、逃げるわけにはいかない。

     

    そんな時、無意識のうちに私は、どうやって乗り越えることにしたのか?

     

     

     

    私の中にまた、ひとつの可能性が浮かんできました。

     

     

    心がいよいよ辛くなった時、感情のスイッチを切って「無」になることで乗り切ろうとしてはいないか……? と、私はある時ふと思ったのです。

     

    その頃、自分の心に対して注意深くなっていたからこそ気がつけたくらいの、微細なコントロールではありましたが、たしかにその瞬間は目の前のことを黙々とこなすことができています。

     

     

    苦しさを感じることがないように、はなから感情を無にしてしまう。

     

    ……こうして言葉にすると「電源を切るためにコンセントを引っこ抜く」みたいな、乱暴な印象もありますよね。苦笑

     

     

    けれど、その時自分の心を守るためには、それしか手段が残されていなかったのだと思います。

     

     

    そしてこの気づきこそが、菫色の扉の中にいる男の子との出会いでした。

     

    そのコントロールを難なくやってしまうのが、私の心を守ってくれる、「まもるくん」だったんですね。

     

     

    「もしかして……」と思ってすぐに、私はまた自分一人で心の中を覗きに行くことにしました。

     

    アニキのような分かりやすいキャラなら、わざわざ出向くまでもなく主張を感じ取ることができるので良いのですが。笑

     

     

    まもるくんは、一筋縄ではいかない気がしました。

     

    なにしろ通常は気配を完全に消してしまっていますから、「たまたま見かけない後ろ姿をちらっと見かけて、あれ? って思って慌てて追いかける」くらいのうっすい存在感です。

     

     

     

    けれど、彼がしていることの重さといったら、ただごとではありませんでした。

     

     

    心の中に降りて、私はまっすぐ菫色の扉に向かいました。

     

     

    そこが彼の部屋なのだろうということは、不思議と直感的に分かっていたのです。

     

    相変わらず広間はしんとしていて、誰の姿もありません。

     

     

     

    この頃は、それぞれが単独で自室にこもっているような状態でしたから、広間は寂しいものでした。

     

    たまにアニキの存在を感じる瞬間には、彼はこの広間まで普通に出てきているようなのですが、私が降りていく時はひっそりしています。

     

     

    静まり返っている広間に、その時は「まだ、あんまり信用してもらえてないのかな……」などと思ったりもしました。

     

     

    けれど後から思えば、その頃はまだアニキをはじめ彼らの存在を知ったばかりでしたから、戸惑いやらなにやらで、私の方が彼らをきちんと信頼しきれていなかったのでしょう。

     

     

    そういった部分を、当然心の中にいる彼らは敏感に感じ取っていたのだろうと思います。

     

    だからこそ、まだ私の前に気軽に出て来なかったのだと考えると、合点がいきます。

     

    今だから言えることですが、心の中の世界はとにかく「信頼」が非常大切なのです。

     

     

    それは「住人同士」はもちろん、「自分自身と住人」の間も同じこと。

     

    まぁ、それに気がつくのはもう少し先のことなんですけどね(笑)

     

     

     

    その時は、案内役のようになっていたグリーンダカラちゃんも部屋の外に出てきていなかったのですが、私は構わずにひとり菫色の扉に直行していました。

     

    どうしても、気になって仕方がなかったのです。

     

    もし、私の直感が当たっているとしたら……それはあまりにも、酷なことだと思いました。

     

     

    つまり、その人物に重荷を背負わせているということに他なりません。

     

    その頃は、それぞれの住人を苦境に置いてしまっていたことに変わりはないのですが、それにしたっていちばん苦しい時にだけ出てきてもらう役だなんて、申し訳なさすぎる気がしました。

     

     

     

    扉をノックしてずいぶん待ったのですが、反応はありませんでした。

     

     

    思いきってドアノブに手をかけ自ら扉を開けようとしてみたところ、意外なことに菫色の扉は何の抵抗もなくあっさり開いてしまいました。

     

    拍子抜けした後、恐々覗いてみれば、中は真っ白な空間。

     

    広間と同じように、壁も床も天井も白いのです。

     

     

    私が見たグリーンダカラちゃんやリンさんの部屋のように、特徴と言えるようなものがありません。

     

    そこは、「無個性」な部屋でした。

     

     

    そしてその部屋の隅に、十代後半くらいの男の子が、壁に背中を預けるようにして静かに座っています。

     

     

    黒髪で地味な印象の彼は、ただ一つ自分のそばにラジカセを置いて、ぼんやりと歌詞のない静かな音楽を聞いているのでした。

     

     

    私はなにも言えずにしばらく「まもるくん」を見ていたのですが、話しかけてみようという気持ちにはなれませんでした。

     

    彼は完全に世界を閉じてしまっているような雰囲気で、こちらを見ようともしません。

     

     

     

    自分の中を穏やかにするためなのか、外界を遮断し、することといえば慰めに音楽を聞くくらいのものなのでしょう。

     

    見れば、着ている服も、飾り気のない白い服です。

     

    これほど何もない部屋を目の当たりにして、私は何も言えませんでした。

     

     

    何と言って声をかければいいのか、分かりません。

     

    私は扉を閉めて、何もしないまま中から戻りました。

     

     

    心の中に行く時は決まって眠る前にしていましたから、その時もウトウトしながらまもるくんについて考えていた記憶があります。

     

     

    「これじゃあ、彼に嫌なものをすべて押しつけてしまっているみたいだ……」と、こんな状況に、まもるくんごめん……と思いながらも、どうすれば良いのかなんてまったく分かりませんでした。

     

     

    それからも、度々まもるくんは苦しい時に身代わりになるかのように出てきてくれていたのですが、その頃はそれに甘えていることしかできませんでした。

     

    ただ、彼の存在を知ってさらに、「もっと自分の心や気持ちを大切にしなくてはいけないんだ……」という気持ちになっていたことは確かです。

     

     

    こうなったら、最後の栗色の扉にいる人物が誰なのかについても、知らなければ……と思いました。

     

     

    次に心に「降りた」時のことです。

     

     

    栗色の扉を訪ねた時、その人は静かに机に向かい、なにやら熱心に書き物をしていました。

     

    熱中しているからか、今は話ができるその時ではないということなのか……部屋に入った私のことには気がついていないようでした。

     

     

     

    それが、私の中の「ヒロさん」です。

     

     

    彼は、和服で眼鏡の、穏やかそうな30代くらいの男性です。

     

    その姿を一目見た時から、そういえば彼の要素はこれまでも自分の中にあったな……と、すとんと腑に落ちたような気がしました。

     

    その時点ではまだ、ヒロさんと喋ったわけでもないのでまったく不思議なのですが……。

     

    「この人はどんな人なんだろう?」と一度考え始めてみれば、「こういう性格だな」というのが最初から分かっていたかのような面白い感覚でした。

     

     

    まあ、自分の中にいたということは、本質的な意味では旧知の仲ということなのでしょうか?笑

     

     

    彼は、いつもへらっと笑って、状況を当たり障りなく乗り切るのがスタンスです。

     

    とにかく争い事を避けるタイプなので、長いものに巻かれがちなところがあるのかもしれません。

     

    そんなこんなで住人たちのなだめ役ばかりしている、比較的大人なキャラクターのようでした。

     

     

     

    つまり、ヒロさんこそが私の感情の制御装置のようなもので、たとえば多少人から嫌なことをされたとしても「仕方ないですよ」と私自身に言い聞かせているところがありました。

     

     

    こういう時に「住人」がいるとたとえが非常に楽なのですが……(笑)

    つまり、例えばアニキが何かに対して腹を立てたとしますね。

     

    それを「まぁまぁ、怒ったってしょうがないでしょう」と落ち着けてくれているわけです。

     

     

    加えてヒロさんは、私の「好きなもの」を担っている役のようでした。

     

     

    書き物と読書が好きで、部屋は和室で着物姿……と、和のものに目がないのです。

     

    ただし、現在はリンさん同様、部屋に閉じこもるよりほかない状況にいるのでしょう。

     

    なにしろその時期は、自分の好きなことを思うままにできるような状況ではありませんでしたからね。笑

     

     

    彼がその要素を表出できていなかったとしても、納得できてしまいます。

     

    ヒロさんの存在も、限りなく薄くなってしまっているようでした。

     

     

    結局、直接話をするなどしてコンタクトを取ったわけではないものの、ヒロさんについてきちんと「考えた」からなのか、私はある程度のところまでは彼の性質を理解できてしまったようなのでした。

     

     

     

    これで、6つの扉について少しだけ、明かされたことになります。

     

     

    こうしてみると割とあっという間に、私は「6人の住人」を把握してしまったことになります。

     

     

    「自我状態療法」を試した初回からおよそ2週間後が、臨床心理士の先生とお会いする次の回だったのですが……。

     

    その時にはもう、6人の特徴を紙に書き出していっていましたっけ。

     

     

    「こんなのがいました……」と苦笑交じりの私に、臨床心理士の先生も「ここまで短期間ではっきりイメージしてくるとは思わなかったです」と仰っていました。笑

     

     

    おそらく「イメージ」という手法が相性的に私にぴったりだったため、ここまで来ることができたのだと思います。

     

    私みたいなのはきっと、レアケースなのかもしれませんが。

     

     

     

    さて、住人を把握した私にとって、ここが「自己理解の大きな転機」となるわけです。

     

     

     

    それでは、続きはまた来年☆

     

    皆様、よい新年をお迎えください!!

     

     

     

    今年も、本当にありがとうございました!

     

     

     

     

     

     

     

     

    Tags:

    自己人格分析

    紺野 うみ

    経験談

    Share on Facebook
    Share on Twitter
    Please reload

    Recent Posts

    紺野の中の住人《まもるくん》

    July 19, 2018

    紺野の中の住人《アニキ》

    July 12, 2018

    紺野の中の住人《委員長》

    July 6, 2018

    紺野の中の住人《ヒロさん》

    July 2, 2018

    紺野の中の住人《グリーンダカラちゃん》

    June 26, 2018

    紺野の中の住人《リンさん》

    June 22, 2018

    自分の「声」を大事にする

    June 16, 2018

    自己人格分析で6つの効果

    June 11, 2018

    自分のキャラ変を楽しむ

    June 6, 2018

    自己分析をもっと身近に

    June 2, 2018

    Please reload

    Search By Tags

    神社参拝

    紺野 うみ

    経験談

    自己人格分析

    龍神

    Please reload

    Search By Category

    紺野のお便り (5)

    心理学 (95)

    言葉あそび (4)

    日々の暮らし (65)

    思考の種 (41)

    ヒロさんの日本語あれこれ (4)

    大事にする (2)

    目に見えないもの (21)

    神社レポ (10)

    連載『分析のあゆみ』 (50)

    物語になった心理学 (2)

    連載『自己人格分析まとめ』 (9)

    Please reload